レキ(LEKI)トレッキング用ポールの脆弱性

蓼科山から降りて、亀甲池にて      (LEKI)トレッキング用ポール・クオンタムSPD、一本破損の為 一本使用

私が 2013年 5月に購入したレキ(LEKI)トレッキング用ポール・クオンタムSPD が 7月 初めての使用時に破損(まっ二つに折れてしまった)、

購入店、メーカーへ不良品ではないかと調査依頼をしたのであるが、

9月後半になりやっと回答があった。

メーカーからの回答は、「折れたのは力のかけすぎで、製品に不良は認められない。」 というものでした。

レキ(LEKI)トレッキング用ポールは、
縦方向の垂直荷重 36.5kgで
折れるものなのだそうです。 (ドイツ技術検査機関TUVにて、認定基準の適合認定を受けている。)

日本国のSG規格では
B型 軽量シャフトの場合 40kgまで
耐え、永久変形のない事
A型 標準シャフトの場合 更に圧縮を加え破壊した時危険な状態でないこと、荷重上限 60kg

日本のSG規格の方が厳しい基準なので、国産品の方が折れにくい。

輸入品には、日本のSG基準は適用されていないものもある、という事を知った。

そして、LEKI製品は、SG規格認定の国産メーカーのものより強度は劣るという事が認識できた。

トレッキングポールには、あまり体重をかけてはいけないものなのですが、

特にレキ(LEKI)トレッキング用ポールなど、日本のSG規格以外の製品を使っている方は、注意が必要です。

 

私がこの事実を知り得た事の顛末を記します。

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5月に購入したレキ(LEKI)トレッキング用ポールが初めての使用時に破損し、購入店、メーカーへ不良品ではないかと調査依頼をする。

商品は レキ(LEKI)トレッキング用ポール クオンタムSPD 1300259 ♯550 グリーン
2013年 5月31日にゼビオ岡崎インター店にて購入した。

破損時の状況
7月 9日 初めて使用、八ヶ岳の蓼科山で使用。グリップの感触がとっても良く使いやすいと思う。

しかし、翌日の下り道で、ポールが縮む感覚を覚え、そのまま転倒、尻もちをついてしまう。
スピードロックが外れたと思ったが、何とポールがポッキリと2つに折れてしまっていた。
普通に歩いていた時で、大きくバランスを崩して体重をかけすぎたという覚えもない。

この日の帰りに購入店に寄り状況を説明。

受け付けた女性店員、担当の男性店員の対応は非常に丁寧であり、
返金希望か、交換希望かと聞かれ、 交換と答える。

しかし、交換手続き中にこの店の店長が、この折れ方は店判断で交換はできない、
メーカーに送って判断するが、有償修理の場合があります。
・・・・と私が故意に折ったと言わんばかり。 

一週間後、購入店の担当者から電話があり、
メーカー判断で不良は認められず、有償修理となるが修理するかと連絡があったが、
納得のできない私は、再調査を依頼。

夏休み期間になるので、回答は8月末になるとの事。

 

9月中旬になっても、回答がないので購入店に電話で催促したら、後日ようやく回答があった。

強度試験の結果不良品ではない。

第三者機関で試験した報告書によると。
      縦方向の垂直荷重試験 365N(36.5kg)で座屈
      横方向の垂直荷重試験 520N(52.0kg)で座屈

であったとの報告書 を示され、 
ドイツの基準をクリアしている適合品であり不良品ではない。と購入店店長から回答。


私は驚いてしまった。
縦方向の垂直荷重 36.5kgで折れてしまって、正常品とは・・・・。

私の体重は、62kg  ザックを背負えば70kg を超えるだろう。
その半分程度しか支えられない強度の商品だったのです。

国産他メーカーも使っているが、36.5kgくらいで事で折れるとは思えない。



なので、輸入代理店の潟Lャラバンと、ゼビオ本社へメールで10月 1日に質問。
レキ(LEKI)トレッキング用ポールは、垂直荷重 36.5kgで折れてしまって、正常品なのか・・・と。



輸入代理店の潟Lャラバンからの回答は(10月 2日に状況調査とのメール、 10月 4日に下記回答)

同型のLEKI・クオンタムSPDにて試験を行いました内容につきまして、改めてご説明させて頂きます。

試験内容は以下となります。


1)縦方向の垂直荷重試験
試料を鉛直に設置し、荷重を垂直方向下向きに10o/minの速度で加えたときの最大荷重を調べる。
※各シャフトは125cmの位置で固定し試験を行う。

試験結果
最大荷重:365N
158o荷重方向に変異したところで座屈した

2)横方向の垂直荷重試験
試料を水平に設置し最下段シャフトの中央部に荷重を垂直方向下向きに10o/minの速度で加えた時の最大荷重を調べる。

試験結果
最大荷重:520Nで座屈

いずれの試験に関しましても1分間に1cmの速度で力を加えた(ゆっくりと時間をかけて力を加える)内容の試験ですので、
実際の使用状況と試験内容が必ずしも同等の条件とは言えません。

お申し出を頂きましたLEKIポール破損原因につきましては、破断面の座屈状態からの推測になりますが、何らかの原因でシャフトへ過度の力が一時的に加わり、
下段シャフト部が破断に至ったものと考えられます。
実際に小倉様がご使用になったLEKIポールの下段シャフト破断面を目視確認したところ、成型の不良や材料への気泡混入などは確認できませんでした。
LEKI社ではドイツ技術検査機関であるTUVにて、トレッキングポールの認定基準の適合認定を受け、安全の判断基準としております。
アルミの特性上、シャフト軸方向(縦方向)に力が加わった場合などは、弾性によって大きくたわみますが、過度の場合は永久変形が生じる場合があり、
状況によっては破損に至るケースもございます。

これらの事から、今回の件に関しましては製品の不都合に起因するものではないと判断させていただきました。

LEKI社ではドイツ技術検査機関であるTUVにて、トレッキングポールの認定基準の適合認定を受け、安全の判断基準としております。

トレッキングポールは危険につながる道具であることをLEKI社では十分認識を持ち、ポールを開発した1970年代より世界のトップメーカーとして、
常に安全第一の製品作りに努めております。
製品に求められる強度は、軽量性と相反する要点ですが、LEKI社では最良の素材と加工技術によりバラス良く安全性を実現しています。
弊社におきましても1993年の取扱以来、製品の安全性には自信を持って販売させていただいており、軽くて使いやすいトレッキングポールとして、
プロガイドの方々からも信頼を頂いております。

以上、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

株式会社キャラバン CS室

という回答で、

レキ(LEKI)トレッキング用ポールは、
縦方向の垂直荷重 36.5kgで折れてしまっても、正常品との事なのだ。

国産他メーカー(モンベル、ロゴス、サウスフィールド)も使っていますが、36.5kgくらいで事で折れるとは思えず調べてみた。

日本国のSG規格

SG規格の トレッキング用ポールの認定基準

によると、

3.強度 
(3) シャフトの軸方向に圧縮を加えたとき400N(40kg)まで力を加えることができ、かつ、力を取り除いたとき、永久変形のないこと。
    (B形 軽量シャフトの場合)
   A形 標準シャフトの場合 更に圧縮を加え破壊した時危険な状態でないこと、荷重上限 600N(60kg) 


とされている。

日本国のSG規格の認定基準
軽量シャフトの場合でも  40kgまで耐え、永久変形のない事。

ドイツ技術検査機関であるTUV認定基準
               36.5kgで折れてしまっても正常。

なんでこんなに基準が違うのかは、他の国の事でわからないが、

日本のSG規格の方が厳しい基準なので、少し安心した。

 

そして、輸入品には、日本のSG基準は適用されていないものもある、という事を知り、

歴史のあるトップメーカーだ、プロガイドに信頼されているといっても、

LEKI製品は、SG規格認定の国産メーカーのものより強度は劣るという事が認識できた。

レキ(LEKI)トレッキング用ポール など 

日本国のSG規格認定でない外国産のトレッキング用ポールを使っている方は、 特に注意が必要と思う。

 

結果的に、私にとっては蓼科山で折れて正解だった。

しりもちで済んだのだから。

その後に登った、八ヶ岳、権現岳や横岳、赤岳への尾根道で起こったら、滑落したかも知れないと、ゾッとする。

ちなみに、その後は国産メーカーのトレッキング用ポールを使ったが、不安感はまったく感じなかった。

権現岳 西ギボシ

横岳から赤岳へ

 

ゼビオ岡崎インター店から、返金、他社品交換はできないが、回答に時間がかかりすぎたお詫びにと、同型のLEKI・クオンタムSPDに交換してもらったが、

私は強度に不安のあるこの製品を、今後使うつもりはない。

 

また、ゼビオ本社に、

岡崎インター店で購入し破損した、レキ(LEKI)トレッキング用ポール「クオンタムSPD 1300259 ♯550 グリーン」は、

垂直荷重 36.5kgで折れてしまって、正常品なのか・・・

と潟Lャラバンへの同日、質問した結果は、

問合せ頂きました件につきましては、メーカー・商品によって異なることから
私どもからご返答しかねる内容となりますのでご了承願います。
お客様へはお手数おかけし申し訳ございませんが、お問合せにつきましては
直接メーカーへご連絡頂きご確認いただきますようお願いいたします。

ゼビオ株式会社 お客様相談窓口

と、翌日に回答があった。   (素早い回答ではあるが・・・) 

自社店舗で販売した商品で起こった事に関する質問に対して、調査もせずメーカーに聞けとは。  あきれてしまう。