エーリッヒ・メルダース  戦闘詳報

我が小隊はラインの守り作戦に投入された。

 

【斥候〜会敵】

今回の作戦には陸軍、武装SS、そして空軍降下猟兵が投入された。

数的には主力である武装SSが戦線中央を進み、右翼を我が陸軍総統護衛旅団が、

そして左翼を陸軍エリックKGと降下猟兵部隊が進むこととなった。

 作戦開始と同時に目標である丘に向かって前進。

第1分隊が戦闘を歩きゲオルグ、エジルの2名を斥候に出して進むも、分隊長のハント軍曹が狙撃により負傷。

分隊はそこで交戦に入るが、隣にいた武装SSによって敵が追い返されたため、分隊長の手当てが終わってから再び前進した。

目標地点まで来たところで小隊は小休止に入り、周りの状況確認を試みたが、

どうやら無線手のペーターゼンがいうには無線機が電波不調らしく、我が小隊は状況がつかめず立ち往生してしまう。

 すると横にいた武装SSから増援と援護の要請がきたのだが、

指揮系統の違う我が陸軍部隊は司令部の命令なくして勝手に動くことが出来ず、これに応じることが出来なかった。

しかしながら友軍の危機とあり、また状況を探るためにも索敵が必要であると考えて

ホッシュ伍長の第2分隊が前進したのだが、武装SSと対峙していた敵と側面から遭遇してしまい、負傷者多数で壊滅してしまう。

 

【戦闘と後退】

 状況を鑑みたグローバー少尉はペーターゼンを伝令として司令部まで走らせるとともに、

武装SSのいる位置まで前進するように我が第1分隊に命じられた。武装SSの部隊はパイパー戦隊であった。

指揮官であるパイパー中尉は我々の姿を認めると「陸軍部隊にここを任せて、左翼より迂回して逆襲をかける!」と言い残すと

すぐさま部隊を率いて転進してしまった。

 我が小隊は岩山が象徴的な交差点に残され、敵からの優勢な圧迫を受けつつここを堅守し、

総司令部から戻ってきたペーターゼンの伝令により後方へ下がった。

連合軍は最後まであの交差点を死守し続けたようだ。

 ここでの戦闘で優勢な火力と地形を抑えられた我が隊はいたずらに損耗をだしてしまい、

ここでのダメージが後半に響く結果を負ってしまった。

 

【再び前進】

 弾薬、物資、そして人員の欠乏を抱えながら後退した我が部隊は、

エリック中佐のエリックKGの側面支援をするために戦線を横断して右翼から左翼へと移動した。

途中、坂の下で敵の奇襲を受け、第1分隊は負傷者を出しながら交戦し、その場から状況を注視していが、

そこへ数日前に降下したらしい降下猟兵がやってきた。

降下猟兵たちはわずか3人ながらも士気旺盛で、P08で戦い続ける兵士もいた。

状況を説明すると我々に任せろといわんばかりに先頭を走り出し、敵への攻撃を敢行した。

勇猛果敢な空軍兵士の姿を目に我が小隊も行動をともにし、敵へ攻撃を加えた。

降下猟兵の支援によって状況を打破し、移動できた我が小隊であったが、払った代償は大きかった。

なんと空軍部隊の指揮官である空軍少尉殿が敵の狙撃により頭を吹き飛ばされてしまったのだ。

しかし、残りの降下猟兵たちは怒りからかさらに激しい攻撃を敵に加えた。

 息絶える空軍少尉が「俺の屍を越えていけ」と言ったような気がしたので

我が小隊は「降下猟兵たちにここは任せて、迂回して敵を攻撃するぞ!」と少尉の命令によって戦線中央へ移動し、

敵の防御線を突破しようと試みたが、連合軍は巧妙に谷の陰に機関銃陣地と兵員を配置しており、

こちらが突撃をしかけても容易には突破を許さず、いたずらにこちらの損害ばかりを増やしてしまった。

 だが戦闘時間がたつにつれて敵も弾薬と人員が欠乏してきたらしく、戦線が崩れるときがきた。

 

【突然の降伏勧告】

 好機到来と捉えた少尉が突撃の命令をだそうとしたその瞬間、

エリック中佐による降伏勧告が連合軍側にだされたため、全軍動くな、という命令が伝達されてきた。

仕方なく部隊はその場で停止したが、我々が停滞している間に連合軍は配置転換と補充を済ませてしまったようで、

攻勢の機会を逸してしまった。

連合軍は降伏交渉を遅らせることでまんまと時間を稼いだわけである。

なおこの間に我が部隊の右隣にいた武装SSのクリューゲル戦闘団は若い兵士を率いて奮戦していたが、

寡兵であることと下士官不足のため戦闘を優位に運べず撤退を余儀なくされていた。

 結局、戦線中央からの突破はクリューゲルKGを失ったことで同調も難しく、

兵員損耗率が8割を超えたところで小隊は総司令部へと帰還し、再編成された。

 

【最後の攻勢】

 上空が晴れだし、時間的猶予がなくなってきたため一挙に戦局を動かすために攻勢をかけるので、

戦線中央から敵中を突破し、敵を分断せよという命令を小隊は受けた。

 駆け足で元の攻撃発起点まで前進し、そこから戦線を横切って敵ののど元にたどり着いたのだが、

そこまでが限界点であった。

狭い空間で行く手を阻まれた小隊は前進も後退もできず立ち往生してしまい小隊は左右から攻撃を受けて壊滅し、

最後に残った少数の兵とともに敵兵米軍第101空挺師団の1050小隊に降伏したのであった。

               総統護衛旅団 第1小隊第1分隊 副分隊長 エーリッヒ・メルダース

 

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